乗馬用品・馬具を長くお使い頂くためには、日ごろのお手入れが必要です。

それほど難しい作業ではないので、習慣づけるように心がけましょう。

ここでは、鞍や腹帯、頭絡を例にとって、お手入れ方法をご紹介いたします。

鞍KURA

  1. (1)ブラシで全体の汚れを軽く落とし、水を固く絞ったタオルで、水拭きをします。特に汗の跡のつきやすい、あおり革やシートの部分は、ていねいに拭きましょう。
    お手入れの仕方
  2. (2)次に、少し水に濡らしたスポンジに、クリームタイプのサドルソープをつけ、革の表面を円を描くようにしながら汚れを落とします。スプレータイプのレザーニューも効果があります。その後、乾いたタオルでサドルソープを拭き取ります。
    お手入れの仕方
  3. (3)最後に保革油を塗るわけですが、鞍の裏側は、液状の保革油(レザーソフト)を、外側はクリームタイプの保革油(レザーバルサム、ミンクオイル)が良いです。その時、託革に油がついてしまうと、後々、革が伸びてしまいますのので注意してください。その後、乾いたタオルで余分な保革油を良く拭き取り、乾燥した場所(日陰が良い)に保管してください。
    お手入れの仕方

腹帯HARAOBI

  1. (1)腹帯も鞍と同じように、まず、タオルやブラシを使って、汚れや汗など拭き取ります。次に、サドルソープで汚れを落とします。特に腹帯の内側は丹念に塗りこんでください。
    お手入れの仕方
  2. (2)その後、乾いたタオルでサドルソープを拭き取り、腹帯の外側だけオイルタイプ(レザーオイル)の保革油を塗り、日陰干しをします。
    お手入れの仕方

頭絡TOURAKU

  1. (1)タオルで汚れを拭き取り、革の内側は特に丁寧に拭きます。
    お手入れの仕方
  2. (2)その後、ハミを外し、サドルソープで汚れを落とし、革の裏側は液状(レザーオイル)を、外側はクリームタイプ(レザーバルサム)の保革油を塗り日陰干しにします。
    お手入れの仕方

あぶみ革ABUMIGAWA

あぶみ革は、他の革製品とは違い、非常に革が伸びやすいので、汚れを落とす程度にして、保革油は、ごくごく薄めに使ってください。

新しい鞍や革具を購入したら、レザーオイルを少量スポンジにつけ、全体に塗り、乾いた布で軽く拭き取ります。

注意しなければいけないのが、早く革をなじませようとして、ベタベタに塗ってしまうことです。それによって革が伸びたり、鞍全体(留めている釘など)に悪い影響を及ぼします。

また、馬具を保管する場所は、高温多湿を避けましょう。高温は革の乾燥、多湿はカビの原因となり、馬具の劣化を早めます。

使い終わったら、汚れを落とすと共に馬具全体をチェックして、小さなトラブルが見つかつたら、早めに修理いたしましょう。 使い込んで、体になじんだ飴色に輝く鞍に出会えた時、馬具職人をしていて、本当に良かったと思う瞬間です。